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上司から「来月、辞令が出るよ」と言われて、何がどう決まるのか急に気になった。そんな方も多いはずです。

辞令ドットコムは、辞令を受け取る会社員・公務員の方と、辞令を作る人事・総務の方のための情報サイトです。辞令の意味から種類、交付式のマナー、書き方、辞令が出た後の判断まで、テーマごとに記事をまとめています。

結論から言うと、辞令は、会社や役所が異動・昇進・休職などの人事を本人に正式に伝える通知です。会社員の辞令は就業規則で、公務員の辞令は法律や規則で決まっているんです。

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辞令とは?まずは早見表で全体をつかむ

辞令をひと言でいうと

辞令とは、勤め先が「○○を命ずる」「○○に任命する」と人事の決定を本人に伝える文書や通知のことです。読み方は「じれい」です。

『辞令って、法律で決まった書類じゃないの?』と思った方もいますよね。実は、会社員の辞令には法律で決まった定義がないんです。

労働基準法・労働契約法・民法・育児介護休業法の本文には「辞令」という語が出てきません。中身や出し方は、会社の就業規則や慣行で決まります。

最初に押さえておきたいことを表にまとめました。

項目会社員の辞令国家公務員の辞令
根拠就業規則・労働契約国家公務員法・人事院規則8-12
書類の名前辞令、辞令書など会社ごと人事異動通知書
書面で出す決まり法律の決まりはなく会社ごと採用・昇任・転任・配置換などの時に交付する
予告の「内示」法律の定義はなく会社ごと自治体の規程で定める例がある
効力が始まる日就業規則や辞令に書かれた発令日通知書に書く発令日

「辞令」と「社交辞令」は同じ字

辞書を引くと、辞令には「任免の時に本人に渡す文書」のほか、「応対のことば・あいさつ」という意味も載っています。社交辞令の辞令は、こちらの意味から来ているんです。

辞令の基本は辞令とは?意味をわかりやすく、言葉の成り立ちは辞令の意味・読み方と社交辞令で紹介しています。英語での言い方は辞令は英語で何という?にまとめました。

内示・発令・辞令日の違いも知っておこう

内示は、正式な辞令の前に本人へ内々に伝える予告です。発令日は、辞令の効力が始まる日のことですね。

国の人事異動通知書の記入要領では、発令日を「異動を発令した年月日又は異動が発生した年月日」としています。受け取った日と発令日が違うこともあるので、日付は見落とさないようにしましょう。

違いは内示と辞令の違いと辞令と発令の違い、時期の話は辞令はいつ出る?で詳しく見られます。

辞令の種類|異動・昇進から休職・退職まで

種類が違っても形は同じ

辞令には異動・転勤・昇進・降格・出向・兼務・休職・給与・採用・退職などの種類があります。どれも「いつから・誰が・誰に・何を命じるか」の形でできています。

辞令と一口に言っても、出る場面はたくさんありますよね。主な種類と、命じる内容を並べました。

異動・転勤・昇進・降格・出向・兼務・休職・給与・採用・退職の辞令を、命じる内容ごとに分けた図解
辞令の種類何が変わる?文の例(会社によって違う)
異動・配置換部署や仕事の内容営業部勤務を命ずる
転勤働く場所○○支店勤務を命ずる
昇進・昇格役職や等級が上がる営業課長を命ずる
降格・役職解任役職や等級が下がる営業課長の任を解く
出向・転籍別の会社で働く○○株式会社への出向を命ずる
兼務今の仕事に別の仕事が加わる企画部兼務を命ずる
休職・復職仕事を休む・戻る休職を命ずる、復職を命ずる
採用・退職社員になる・社員でなくなる社員として採用する、退職を承認する

異動・転勤の辞令

一番よく出るのが、部署や勤務地が変わる辞令です。

厚生労働省のモデル就業規則には、業務上必要がある場合に就業場所や業務の変更を命ずることがある、という規程例があります。転勤の何日前に伝えるかは法律で決まっておらず、厚生労働省の手引きは「できる限り時間的余裕をもって告知することが重要」としています。

詳しくは異動の辞令が出たらやることと転勤の辞令と引っ越しの準備で紹介しています。

昇進・降格・給与の辞令

昇進の辞令はうれしい知らせですよね。モデル就業規則の役付手当の規程例では、昇格は発令日の属する賃金月から支給するとしています。

昇進は昇進・昇格の辞令、降格は降格・役職解任の辞令、給与は給与辞令とは?で読めます。

出向・兼務・休職・入社・退職の辞令

出向は籍を置いたまま別の会社で働く形、転籍は籍そのものを移す形です。民法625条1項に「使用者は、労働者の承諾を得なければ、その権利を第三者に譲り渡すことができない。」とあり、転籍には本人の承諾が要るとされています。

出向は出向・転籍の辞令、兼務は兼務辞令とは?、休職は休職・復職の辞令にまとめました。入社の時は入社・採用の辞令、退職の時は退職辞令とは?をどうぞ。

辞令の交付と受け取り方

交付は「手渡し」だけではない

辞令は、式典で手渡す、上司から配る、メールや掲示で知らせるなど、渡し方が勤め先ごとに違います。役所でも、課長級以上などを対象に交付式を開き、ほかの職員には異動元の課長から配った例があります。

『辞令交付式って、何をするの?』と緊張している新社会人の方も多いはずです。式の流れが分かると、ぐっと落ち着けますよ。

福岡県教育委員会が公表した新規採用教育職員の辞令交付式では、式次第が次の順でした。

辞令交付式の流れの例(福岡県教育委員会の公表資料)
  1. 開式の辞
  2. 国歌斉唱
  3. 辞令交付
  4. 宣誓
  5. 教育長挨拶
  6. 閉式の辞
辞令交付式の流れを、開式の辞から国歌斉唱・辞令交付・宣誓・教育長挨拶・閉式の辞まで順に示した図解

会社の交付式は、もっと簡単な形のことも多いです。名前を呼ばれたら返事をして前に出て、両手で受け取って一礼する、という流れを押さえておけば大丈夫です。

受け取る時の言葉と服装

受け取る時の動きと言葉は辞令の受け取り方、挨拶やお礼メールの例文は辞令を受けた時の挨拶・返事で紹介しています。

服装は辞令交付式の服装にまとめました。交付する側の段取りは辞令交付とは?、式全体は辞令交付式とは?で読めます。

辞令の書き方・テンプレート

書く項目は4つ

辞令に書くのは「発令日」「発令する人」「本人の氏名と現職」「命じる内容」の4つです。会社員の辞令に法律で決まった書式はないので、就業規則や社内の慣行に合わせて作ります。

『人事の担当になったけど、何を見本にすればいいの?』という方もいますよね。参考になるのが、役所が公表している辞令の文例です。

場面国の人事異動通知書の文例札幌市の辞令書の文例
昇任アに昇任させる何々職に昇任する
配置換・勤務アに配置換する何局何部(何課)勤務を命ずる
兼務の解除アの併任を解除する何々兼務を解く
休職イにより休職にする甲により休職を命ずる
辞職辞職を承認する願により退職を承認する

国の文例の「ア」は官職の名称と所属部課、「イ」と札幌市の「甲」は根拠法令の条項を入れる所です。会社なら「営業部勤務を命ずる」のように、部署名に置き換えて考えてみてください。

押印・電子化・掲示・保管の決まりは?

実は、辞令に押印を求める法令は確認できていません。内閣府・法務省・経済産業省の「押印についてのQ&A」でも、契約に押印は必要な要件ではないとしています。

書き方は辞令の書き方、雛形は辞令のテンプレート・書式、用紙は辞令書とは?で紹介しています。社内への知らせ方は辞令の社内掲示・社内通知、メールでの辞令は辞令の電子化、保管は辞令書は捨てていい?にまとめました。

文例を写す時の注意

氏名・日付・部署名は「○○ ○○」「令和○年○月○日」のような伏せ字で雛形を作り、使う時に入れ替えると間違いが減ります。社内で使う言い回し(命ずる・命じる)は1つにそろえておきましょう。

辞令が出た時の判断|断れる?辞める?

先に結論

会社の辞令は、就業規則に異動の定めがあり、勤務地や職種が限定されていなければ、原則として断るのは難しいです。ただし、断れる場合もあります。まずは辞令の中身と自分の契約を照らし合わせてみてください。

『この辞令、正直受けたくない…』と悩むこともありますよね。そう感じるのは自然なことです。

最高裁判所の判決(昭和61年7月14日)は、次のような特段の事情があれば、転勤命令は権利の濫用になるとしています。

確かめたいこと当てはまる例確かめる書類
業務上の必要性があるか異動させる理由が見当たらない辞令、会社の説明
不当な動機・目的がないか嫌がらせや退職させる目的が疑われるやり取りのメモ
不利益が大きすぎないか通常甘受すべき程度を著しく超える家族の事情の記録
契約の範囲内か勤務地や職種を限る合意がある労働条件通知書、就業規則

令和6年4月1日以降に結んだ労働契約では、勤務地や業務の「変更の範囲」も書面で明示することになっています。入社時の書類に「変更なし」とあるのに勤務地が変わる時は、人事に確かめてみましょう。

子育てや介護の事情は会社に伝える

育児介護休業法第26条では、勤務地が変わる配置の変更で子育てや介護が難しくなる人がいる時は、会社がその状況に配慮しなければならないと定めています。内示の段階で事情を具体的に伝えると、時期や場所を調整してもらえることもありますよ。

「この時期に引っ越すと、家族の介護が続けられなくて」
「分かりました。時期をずらせないか、人事と話してみますね」

話し合いでまとまらない時は、都道府県労働局などにある総合労働相談コーナーや弁護士に相談できます。辞令を無視して出社しない、といった対応はかえって立場を悪くするので避けましょう。

受けるか、辞めるか、外も見るか

辞令を受けて新しい場所でがんばるのも、立派な選択です。一方で、辞令をきっかけに「この先どう働きたいか」を考え直す人もいます。

今の会社で続ける道と並べて、外の選択肢も確かめておくと判断しやすくなります。

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転勤や異動の辞令は、これからの働き方を考えるきっかけにもなります。今の会社で続ける道と並べて、勤務地や仕事内容の希望を伝えて求人を紹介してもらえる転職エージェントで、選択肢を確かめておくのも一つの方法です。

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断れるかの考え方は辞令は拒否できる?、辞める前の確認は辞令が出て会社を辞めるか迷ったらで紹介しています。転職の進め方は転勤・異動の少ない仕事へ転職するにはにまとめました。

公務員の辞令は会社とどう違う?

国家公務員は「人事異動通知書」

国家公務員の辞令は、人事院規則8-12で人事異動通知書の交付が定められています。地方公務員の辞令は、自治体ごとの規則や規程で決まっています。

『公務員の辞令って、会社とは別物なの?』と気になる方もいますよね。一番の違いは、交付が規則で決まっていることなんです。

項目人事院規則8-12の定め
交付しなければならない場合(第53条)採用・昇任・転任・配置換・任期の更新、併任、復職、辞職の承認など
通知書を交付して行う処分(第54条)降任、休職とその期間の更新、免職
交付に代えられる場合(第55条)課の単位内の配置換、組織の変更に伴う転任・配置換など

地方では、例えば札幌市の規程に「職員の発令は、辞令書の交付により行うものとする。」とあります。同じ規程では、内示を行った場合などに辞令書の交付を省略できるとしているんです。

公務員の辞令の全体は公務員の辞令とは?で紹介しています。退職の時の通知書は退職辞令とは?、交付式は公務員・教員の交付式をどうぞ。

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当サイトの記事を、カテゴリごとに並べています。気になるテーマから読んでみてください。

人事の種類と辞令(11本)

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法令の条文と、厚生労働省・人事院などの案内へのリンクです。制度は改正されることがあるので、最新の情報もあわせて見てみてください。

よくある質問

辞令とは簡単に言うと何ですか?

会社や役所が、異動・昇進・休職などの人事を本人に正式に伝える通知です。紙の辞令書で渡すほか、メールや掲示で知らせる勤め先もあります。

辞令は法律で決まっているものですか?

会社員の辞令には、法律で決まった定義や書式はありません。就業規則や慣行で決まります。国家公務員は、人事院規則8-12で人事異動通知書の交付が定められています。

内示と辞令は何が違いますか?

内示は正式な辞令の前に本人へ伝える予告で、辞令は人事を正式に命じる通知です。内示にも法律の定義はなく、扱いは会社ごとに違います。

辞令は断れますか?

就業規則に異動の定めがあり、勤務地や職種が限定されていなければ、原則として断るのは難しいです。業務上の必要性がない、不利益が著しく大きいなどの事情があれば話が変わるので、まず人事に相談してみてください。

辞令が出てから退職することはできますか?

できます。期間の定めのない雇用なら、民法627条1項で解約の申入れから2週間で雇用が終わるとされています。引き継ぎもあるので、就業規則の退職の決まりもあわせて確かめておきましょう。

まとめ

辞令について押さえておきたいこと
  • 辞令は、勤め先が人事を本人に正式に伝える通知
  • 会社員の辞令は就業規則、公務員の辞令は法律や規則が根拠
  • 種類が違っても「いつ・誰が・誰に・何を」の形は同じ
  • 交付の仕方は手渡し・配付・メール・掲示など勤め先ごとに違う
  • 辞令が出たら、労働条件の「変更の範囲」と照らし合わせる
  • 受けにくい事情がある時は、内示の段階で早めに相談する
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辞令ドットコム 編集部

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