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引き出しの奥から古い辞令書が何枚も出てきて、『これ、もう捨てていいのかな』と手が止まったことはありませんか。
結論から言うと、辞令を捨てるかどうかに法律の決まりはなく、今の会社で働いている間と、手続きで使いそうな間は持っておくのが安心です。辞令の再発行には決まった仕組みが確認できないので、なくすと困る場面もあるんです。
この記事を読めば、辞令書の保管の目安と、捨ててもよいかの判断のしかた、なくした時の頼み方が分かります。
辞令は捨てていい?先に結論
辞令書を手元に残すように求める法律は、確認できませんでした。捨てても罰はありません。ただ、在職中や転職・退職の手続きの前後は、提出や確認を頼まれることがあるので、残しておく方が手間が少ないです。
『もう終わった人事の紙だし、取っておく意味ある?』と思いますよね。
実は、辞令書は「その時期にその役目に就いていた」ことを本人が示せる、数少ない紙なんです。会社には記録が残っていても、本人の手元には辞令しかないこともあります。
辞令書そのものがどんな書類かは、辞令書とは?辞令用紙のサイズ・紙と、人事異動通知書との違いで紹介しています。
辞令書の保管は「本人」と「会社」で別の話
辞令の保管と聞くと、本人の話と会社の話がまざりがちです。ここで分けておきましょう。
| だれの保管か | 決まりはあるか | 考え方 |
|---|---|---|
| もらった本人 | 法律の決まりは確認できない | 使う場面があるうちは残しておく |
| 会社 | 労働基準法109条に書類保存の定めがある | 辞令の控えが対象になるかは公的な見解が確認できない |
| 公務員の任命権者 | 人事院規則8-12や自治体の規程で交付を定める | 再交付の規定例は確認できない |
本人が辞令を捨てていいかは、最終的には自分で決めることです。そのうえで、次の「役立つ場面」を見てから判断してみてください。
もらった人が辞令書を持っておくと役立つ場面
辞令書が役立つのは、「いつから・どの役目だったか」を外に示したい時です。手続きの書類に辞令の写しを添えるよう求められる、という相談が実際に多く見られます。
辞令書は、ふだんは引き出しにしまったままですよね。でも、ふとした時に「あの紙、どこだっけ」となることがあるんです。
辞令の写しとは?
辞令の写しとは、受け取った辞令書をコピーしたもののことです。原本は手元に残して、コピーを提出先に渡す使い方をします。
例えば、新しい勤め先や手続きの窓口から「辞令の写しを添付してください」と書かれた案内が届くことがあります。
「写しって、原本を出さなくていいんですか?」
「多くはコピーで足ります。ただ、原本を見せてと言われることもあるので、提出先の案内を確かめておきましょう」
辞令書を使いそうな場面の例
- 新しい勤め先や任用先から、辞令の写しの提出を求められた時
- 手続きの窓口で、勤め先や着任日を確かめたいと言われた時
- 職務経歴書を書く時に、異動や昇進の時期を思い出したい時
- 公務員で、前の勤め先での職歴を示す書類を求められた時
- 自分の人事の経過を、あとで振り返りたい時
職務経歴書を書く時は、案外いちばん助かる使い方かもしれません。異動の月を覚えていなくても、辞令を並べれば年表のように分かりますよ。
辞令書の保管のしかた
辞令書は、折らずにクリアファイルに入れて、日付の順に重ねておくのがおすすめです。労働条件通知書や雇用契約の書類と同じファイルにしておくと、探す場所が1か所で済みます。
紙のほかに、スマートフォンで写真を撮っておくのも手です。原本をなくした時でも、日付と中身だけは確かめられます。
写真やスキャンは、あくまで自分用の控えです。提出先が原本や写しを指定している時は、その指示に合わせてくださいね。
会社が保存しておく書類と、辞令書の関係
会社には、労働関係の重要な書類を保存する義務があります。労働基準法109条の本則は5年ですが、経過措置で当分の間は3年です。ただし、人事異動の辞令の控えがこの書類に当たるかを示した公的な資料は確認できませんでした。
『会社に記録があるなら、自分の分は捨てても大丈夫では?』と思う方も多いはずです。ここは少していねいに見ておきますね。
労働基準法109条の保存期間
労働基準法109条は、使用者に「労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類」を5年間保存するよう定めています。
同じ法律の143条で、この「五年間」は当分の間「三年間」と読みかえることになっています。厚生労働省のリーフレットでは、2020年4月1日の施行で5年に延ばしつつ、当分の間は3年とした、と説明しています。
| 書類の例 | 保存の定め | 本人の手元にあるか |
|---|---|---|
| 労働者名簿・賃金台帳 | 109条に名前が出てくる | ない |
| 雇入れ・解雇に関する重要な書類 | 109条に名前が出てくる | 一部はある(労働条件通知書など) |
| 人事異動の辞令の控え | 当たるかの公的見解は確認できない | 辞令書の原本がある |
会社に記録があっても、すぐ出てくるとは限らない
会社に控えがあっても、退職したあとや年数がたった後は、頼んでから出てくるまで時間がかかることがあります。
それに、会社が保存しているのは会社のための記録です。本人が「この時期にこの部署にいた」と示したい時に、すぐ手渡してもらえるとは限りません。
「前の会社に頼めば、辞令のコピーをもらえますか?」
「出してもらえることもありますが、会社しだいです。手元に残っているなら、それを使う方が早いですよ」
入社の時にもらう労働条件通知書は、労働基準法15条と施行規則5条で、就業場所や業務などを書面で明示することになっている書類です。辞令書と一緒に保管しておくと、自分の働く条件を確かめる時に役立ちます。
捨ててもいいか迷った時の判断表
迷ったら「今の勤め先か」「手続きが終わっているか」「代わりの書類があるか」の3つで考えると決めやすくなります。どれか1つでも引っかかるなら、もう少し残しておきましょう。
辞令書を捨てる前に、自分の辞令がどこに当てはまるかを表で見てみてください。

| 辞令書の状況 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 今の勤め先でもらった辞令 | 残す | 役職や所属を確かめる場面がまだある |
| 転職・退職の手続きがまだ終わっていない | 残す | 写しの提出を頼まれることがある |
| 公務員で、今後も任用や職歴の書類を出しそう | 残す | 前の職歴を示す書類を求められることがある |
| 前の会社の辞令で、手続きはすべて終わった | 写真やスキャンを残してから処分してもよい | 原本を使う場面は少ない |
| 内容が同じ辞令が何枚もある | 最新のものと節目のものだけ残す | 全部なくても経過は分かる |
捨てる前にしておきたいこと
- 辞令書の日付と中身を、写真かスキャンで残す
- 異動や昇進の時期を、職歴のメモに書き写しておく
- 氏名や所属が書かれているので、シュレッダーなどで細かくしてから捨てる
氏名・所属・役職がそろった紙なので、そのまま資源ごみに出すのは避けたいところです。
例えば、転職して数年たち、前の会社の辞令が10枚ほどたまっている場合を考えてみましょう。入社の辞令と、昇進や大きな異動の辞令だけ残して、ほかは写真を撮ってから処分する、という分け方なら迷いにくいですよ。
大掃除の勢いで全部捨ててから、転職先に辞令の写しを求められて困った、という相談は少なくありません。処分は、手続きが一段落してからにしておきましょう。
辞令書をなくした時の再発行と、代わりの書類
辞令の再発行について、法律や人事院規則で決まった仕組みは確認できませんでした。なくしたら、まず発行した会社や任命権者の人事担当に相談し、再発行が難しければ代わりの証明書を頼むのが現実的です。
『大事な辞令をなくしてしまった、どうしよう』と焦りますよね。でも、打てる手はあります。

会社員の場合
会社の辞令書には法律の決まった形がないので、再発行するかどうかも会社しだいです。人事や総務の担当者に、何に使いたいかを伝えて相談してみてください。
退職した後なら、労働基準法22条の退職証明書を頼む方法もあります。使用期間や業務の種類、その事業での地位などを請求すると、会社は遅滞なく交付しなければなりません。
公務員が辞令の再発行を頼む時
公務員の辞令の再発行も、決まった規定例は確認できませんでした。人事院規則8-12の本文にも「再交付」という言葉は出てきません。
その代わりに、在職や退職を証明する書類を出している自治体があります。例えば川崎市では、在職証明・退職証明・在職期間証明・履歴証明を交付しています。
- いつ付けの、どんな中身の辞令か
- 何の手続きに使いたいか
- 辞令の再発行が難しければ、代わりの証明書でよいか
- 提出先が求めている書類の名前
公務員の辞令の全体像は公務員の辞令とは?、退職の時にもらう書類は退職辞令とは?で紹介しています。
ちなみに、辞令書を見返すと、これまでの異動や役職の流れがよく見えてきます。今の会社で積み上げていくのも一つの道ですし、外の求人と並べて自分の経験の値打ちを確かめておくと、次の一手を考えやすくなりますよ。
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辞令をきっかけに働き方を見直すなら、転職エージェントに相談してみる
転勤や異動の辞令は、これからの働き方を考えるきっかけにもなります。今の会社で続ける道と並べて、勤務地や仕事内容の希望を伝えて求人を紹介してもらえる転職エージェントで、選択肢を確かめておくのも一つの方法です。
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辞令の保管でよくある疑問
辞令書の保管や紛失について、よく読まれている質問を選んで答えます。
労働条件通知書や辞令は、みんな保管している?
「労働条件通知書や辞令を保管していますか?」という質問がありました。
保管しておく人が多いのは、あとで自分の条件や経過を確かめる手がかりになるからです。ファイル1冊にまとめておくだけで、探す手間がぐっと減りますよ。
教員で、交付式でもらった辞令をなくした
「辞令交付式でもらった辞令をなくした。再交付はできる?」という質問も、とても多く読まれています。
再交付の決まりは確認できないので、まず勤務先を通じて任命権者の人事担当に相談してみてください。何に使うかを伝えると、代わりの証明で足りるかも含めて案内してもらいやすくなります。
「辞令の写しを添付して」と言われたけれど、まだもらっていない
講師として任用された人から、「提出書類に辞令の写しとあるが、辞令書はいつ受け取るの?」という質問もありました。
辞令の交付の時期は、任用先ごとに違います。手元にないなら、提出先に「まだ受け取っていない」と伝えて、いつまでに出せばよいかを確かめておきましょう。
よくある質問
辞令書は捨てていいですか?
本人に辞令書の保管を求める法律は確認できず、捨てても罰はありません。ただ、在職中や転職・退職の手続きが終わるまでは、写しの提出を頼まれることがあるので残しておくと安心です。
辞令の保管期間はどのくらいですか?
本人の保管期間に決まりはありません。会社の書類保存は労働基準法109条で本則5年、経過措置で当分の間3年ですが、辞令の控えが対象になるかは公的な見解が確認できません。
辞令の写しとは何ですか?
受け取った辞令書をコピーしたものです。手続きの書類に添えて出す時に使い、原本は手元に残しておきます。
辞令書はどうやって保管すればいいですか?
折らずにクリアファイルに入れ、日付の順に重ねておくと探しやすくなります。労働条件通知書と同じファイルにまとめ、写真の控えも残しておくと安心です。
辞令をなくしたら再発行できますか?
再発行の決まった仕組みは確認できません。会社や任命権者の人事担当に相談し、難しければ退職証明書や在職証明などの代わりの書類を頼んでみてください。
まとめ
- 辞令を捨てるかどうかに法律の決まりはなく、本人が決めてよい
- 在職中と手続きが終わるまでは、写しを頼まれることがあるので残しておく
- 会社の書類保存は本則5年・当分の間3年だが、辞令の控えが対象かは未確認
- なくした時は人事担当に相談し、再発行が難しければ代わりの証明書を頼む





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