辞令のテンプレート・書式|Word・Excelで作る雛形と項目の並べ方

辞令のテンプレートと、WordやExcelで作る雛形の作り方を紹介する記事のアイキャッチ。机の上のノートパソコンと白い書類

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春の異動に向けて辞令を何十枚も作ることになり、『どこかに使えるテンプレートはないかな』と探している方も多いはずです。

結論から言うと、辞令のテンプレートは、項目を3つの層に分けて組むと、どの種類にも使い回せます。3つとは「欠かせない項目」「会社ごとに足す項目」「書かない方がいい項目」です。

この記事を読めば、そのままWordやExcelに写せる雛形と、種類別の文例、何十枚もまとめて作る手順が分かります。

目次

辞令のテンプレートは「3つの層」で考えると迷わない

先に結論

辞令のフォーマットに法律で決まった型はありません。だからこそ、項目を3つの層に分けておくと、異動でも昇格でも同じ枠で作れます。

『ネットで見つけた雛形が、うちの会社に合わない』ということ、よくありますよね。

実は、会社員の辞令は法律で定義された書類ではありません。労働基準法や労働契約法の本文には「辞令」という言葉が出てこないんです。項目の並べ方は、就業規則や社内の前例で決まります。

そこで、テンプレートを作る前に、項目を次の3つの層に分けておきましょう。

辞令のテンプレートの項目を「欠かせない項目」「会社ごとに足す項目」「書かない方がいい項目」の3層に分けた図解
層項目考え方
欠かせない項目表題「辞令」・氏名・発令内容・発令日・発令者どの種類の辞令にも入れる
会社ごとに足す項目現在の所属・社員番号・文書番号・社印・期間社内の前例や管理の都合で足す
書かない方がいい項目評価の中身・家庭の事情・処分の詳しい経緯辞令とは別の書面や面談で伝える

欠かせない項目:国の様式が参考になる

欠かせない項目を決める時に参考になるのが、国家公務員の「人事異動通知書」です。人事院の通知で、欄は「氏名」「現官職」「異動内容」「年月日と任命権者」と決まっています。

会社の辞令に置き換えると、「氏名」「今の所属」「発令内容」「発令日と発令者」になります。この4つがあれば、誰に・何を・いつから・誰が命じたかが1枚で分かるんです。

会社ごとに足す項目

社員が多い会社では、社員番号を足しておくと、同じ名前の人がいても取り違えを防げます。人事院の通知でも、降任や休職などの場合の様式には「文書番号」の欄があります。

休職や出向のように期間がある辞令は、「期間は令和○年○月○日までとする」の1行を足しておきましょう。

書かない方がいい項目

辞令は本人の手元に残り、掲示に使われることもある書類です。評価の細かい中身や、家庭の事情は書き込まない方が安心です。

例えば、こんな書き方は避けておきましょう。

避けたい書き方直した書き方
営業成績の不振により総務部勤務を命ずる総務部勤務を命ずる
家族の介護のため本社勤務を命ずる本社勤務を命ずる
本人の希望を受け入れ大阪支店勤務を命ずる大阪支店勤務を命ずる

理由や経緯は、辞令ではなく面談や別の書面で伝える方が、受け取る人も周りの人も落ち着いて受け止められます。辞令の1行は、命じる中身だけにしておくのがいちばんです。

退職証明書の考え方も参考になる

労働基準法の第22条は、退職証明書について「労働者の請求しない事項を記入してはならない」と定めています。辞令そのものの決まりではありませんが、本人が望まない情報を書類に残さないという考え方は、辞令づくりにも生かせます。

そのまま写せる辞令書テンプレート(基本の枠)

ここでの結論

基本の枠は、上から「表題」「氏名」「発令内容」「発令日」「発令者」の順です。まずはこの枠を1枚作り、種類ごとに発令内容の行だけを差し替えて使います。

ここからは、WordやExcelにそのまま写して使える辞令書テンプレートです。当サイトはファイルの配布をしていないので、下の雛形を写して自社の書式にしてみてください。

基本の雛形

置く位置書く内容例
上の中央表題辞令
右上社員番号(足す項目)○○○○
左寄り今の所属と氏名営業部 営業一課 ○○ ○○
中央発令内容総務部勤務を命ずる
左下発令日令和○年○月○日
右下発令者株式会社○○ 代表取締役 ○○ ○○

表題の「辞令」は、用紙の上の中央に大きめに置きます。氏名は左寄り、発令者は右寄りにすると、ひと目で読みやすくなりますよ。

日付は、渡す日ではなく効力が始まる「発令日」を書きます。人事院の通知でも、日付欄には「異動を発令した年月日又は異動が発生した年月日」を書くとしています。

基本の枠を作る時に決めておくこと
  • 用紙の大きさと向き(国の様式はA4)
  • 表題・氏名・本文の文字の大きさ
  • 敬称を付けるかどうか
  • 社印を押すか、印影を印刷するか
  • 発令者を社長名にするか、人事担当役員名にするか

項目ごとの書き方や「命ずる」「解く」の使い分けは、辞令の書き方でくわしく紹介しています。

種類別の辞令テンプレート:異動・昇格・給与・休職・退職

ここでの結論

種類が変わっても、変えるのは発令内容の行だけです。種類別の文例をストックしておくと、毎回ゼロから考えずに済みます。

『異動はいいけど、給与や休職の辞令はどう書くの?』と迷いますよね。よく使う5つの種類と、入社の辞令の文例をまとめました。

種類発令内容の文例足しておきたい項目
異動総務部勤務を命ずる今の所属
昇格営業部長を命ずる外す役職(例: 営業一課長を解く)
給与基本給を○○円とする適用する月
休職休職を命ずる休職の期間
退職願により退職を承認する退職日
入社社員に採用する/営業部勤務を命ずる配属先

異動の辞令テンプレート

人事異動の辞令は、いちばん枚数が多くなる種類です。部署だけが変わる時は「総務部勤務を命ずる」、勤務地も変わる時は「大阪支店勤務を命ずる」のように書きます。

昇格・役職の辞令テンプレート

役職に就ける時は、今の役職を外す行と、新しい役職に就ける行を上下に並べます。

「営業一課長を解く」
「営業部長を命ずる」

こう並べると、何から何に変わったのかが上から読んで分かります。

給与辞令テンプレート

給与辞令のテンプレートは、金額と適用する月を書く形が基本です。

発令内容の行例
給与の行基本給を令和○年○月分より○○円とする

『給与の辞令って、出さないといけないの?』と気になる方もいるはずです。

結論から言うと、昇給や給与改定のたびに辞令を出す法律上の義務は確認できませんでした。労働基準法の第89条では、昇給に関する事項を就業規則に書くことが求められています。

給与辞令を出すかどうか、どんな形で知らせるかは、会社ごとの決まりになります。給与辞令の時期や確かめ方は、給与辞令とは?で紹介しています。

休職辞令テンプレート

休職の辞令は、期間を1行足すのがポイントです。札幌市の規程の文例は「(根拠の条項)により休職を命ずる 休職期間は 年 月 日までとする」となっています。

会社の場合は、就業規則の休職の条文を根拠にして書く形が分かりやすくなります。

「就業規則第○条により休職を命ずる」
「休職の期間は令和○年○月○日までとする」

厚生労働省のモデル就業規則の解説では、休職の定義や期間、復職について、労働基準法に定めはないとしています。休職の期間や復職の扱いは、自社の就業規則の条文と合わせておきましょう。休職の辞令そのものは、休職・復職の辞令とは?をどうぞ。

退職の辞令テンプレート

退職の辞令は「願により退職を承認する」と書き、退職日を発令日にする形がよく使われます。国の人事異動通知書の文例は「辞職を承認する」です。

出向・兼務の辞令テンプレート

出向や兼務の辞令も、基本の枠のまま発令内容の行を差し替えるだけで作れます。

種類発令内容の文例足しておきたい項目
出向株式会社○○への出向を命ずる出向の期間
出向から戻る出向を解く 営業部勤務を命ずる戻る部署
兼務を加える総務部 人事課兼務を命ずる今の所属はそのまま
兼務を解く総務部 人事課兼務を解く解く日

出向の辞令を作る時は、就業規則や出向の規程と中身がそろっているかを見ておきましょう。厚生労働省のモデル就業規則の解説でも、出向が想定される場合は出向に関する規定を設けておく必要があるとしています。

入社辞令テンプレート

入社辞令のテンプレートは、採用の行と配属の行を2行に分けておくと便利です。

「社員に採用する」
「営業部勤務を命ずる」

なお、入社の時に法律で書面の交付が求められているのは、労働条件の明示の方です。労働基準法の第15条で、賃金や労働時間などの労働条件を明示することになっています。入社の辞令は、その書面とは別の書類として考えておきましょう。

よくある失敗

種類別のテンプレートを1つのファイルに並べておくと、前の人の発令内容が残ったまま印刷してしまうことがあります。種類ごとにファイルを分けるか、差し替える行に色を付けておくと防げます。

WordとExcelで辞令のテンプレートを作る手順

ここでの結論

1枚ずつ作るならWord、何十枚もまとめて作るならExcelの一覧とWordの差し込み印刷を組み合わせるのが便利です。どちらも、手元のソフトだけで無料で作れます。

『無料のテンプレートを探すより、自分で作った方が早いのでは』と思う方もいますよね。実は、基本の枠なら数分で作れます。

Wordで1枚の辞令を作る

Wordで辞令の枠を作る
  1. 新しい文書を開き、用紙をA4・縦にする
  2. 1行目に「辞令」と入れて中央にそろえ、文字を大きくする
  3. 所属・氏名・発令内容・日付・発令者を基本の雛形どおりに並べる
  4. 枠を付けたい時は、ページの罫線の機能で外枠を付ける
  5. テンプレートとして保存し、次から複製して使う

辞令の枠の飾りは、細い二重線などのシンプルなものにしておくと、どの種類の辞令にも合います。枠を付けない会社もあるので、社内の前例を見て決めましょう。

Excelの一覧から辞令をまとめて作る

人事異動の時期は、何十枚もの辞令を一度に作りますよね。そんな時は、Excelに一覧を作り、Wordの差し込み印刷で1人1枚ずつ出す方法が便利です。

Excelの一覧表からWordの差し込み印刷で辞令を1人1枚ずつ作る流れを順番に並べた図解
Excelの列入れる内容例
社員番号取り違えを防ぐ番号○○○○
氏名フルネーム○○ ○○
今の所属今の部署・役職営業部 営業一課
発令内容1行目の文例総務部勤務を命ずる
発令内容22行目の文例(無ければ空欄)人事課兼務を命ずる
発令日効力が始まる日令和○年○月○日

給与辞令をエクセル(Excel)で管理している会社なら、同じ一覧に金額と適用月の列を足すだけで、給与の辞令もまとめて作れます。

差し込み印刷の前に確かめたいこと
  • 氏名の漢字が社員名簿と同じになっている
  • 部署名が組織図の正式な名前になっている
  • 発令日の書き方(和暦・西暦)がそろっている
  • 空欄の行が、印刷した時に変な空白にならない

テンプレートを社内で引き継ぐコツ

辞令づくりは、年に何回かしか回ってこない仕事ですよね。次の担当者が困らないように、作ったテンプレートは置き場所と使い方を残しておきましょう。

引き継ぎの時に残しておきたいこと
  • テンプレートのファイルの置き場所
  • 種類ごとの文例の一覧
  • 敬称・句読点・押印のルール
  • 前回の発令で迷ったことと、その答え

「前の担当の人、辞令のファイルどこに置いてたんだろう」
「共有フォルダの人事の中に、種類別にまとめてありますよ」

こんな会話が通じる状態にしておくと、異動の時期の負担がぐっと軽くなります。

無料テンプレートを使う時の注意

インターネットには、辞令の無料テンプレートや、枠の付いた無料の書式もたくさんあります。使う時は、項目が3つの層のどこに当たるかを見て、自社に合わせて足し引きしておきましょう。

配布元によっては、会社で使う時の条件が書かれていることもあります。利用の条件は、ダウンロードの前に確かめておくと安心です。

社内掲示用の辞令テンプレート

ここでの結論

社内掲示のテンプレートは、本人に渡す辞令とは別に作ります。発令日・新しい所属・前の所属・氏名の4列を基本にして、載せる範囲は社内の決まりで絞ります。

辞令を社内掲示で知らせる会社も多いですよね。掲示用は、一人ひとりの辞令を並べるのではなく、一覧表の形にするのが一般的です。

掲示文の例

「人事異動のお知らせ 令和○年○月○日付で、次のとおり人事異動を発令します。」の1文の下に、一覧の表を置きます。最後に「人事部」のように出した部署を書きます。

新しい所属前の所属氏名
総務部 人事課長営業部 営業一課○○ ○○
大阪支店 営業課本社 営業二課○○ ○○

掲示には、給与や休職のように本人の事情に関わる辞令は載せない会社もあります。どこまで載せるかは、社内の決まりにそろえておきましょう。

掲示板・社内ポータル・全社メールの文例と、載せる範囲の決め方は、辞令の社内掲示・社内通知でまとめています。

辞令のテンプレートでよくある疑問に答えます

ここでの結論

ネットのQ&Aでよく見かけるのは「人事関係の通知書類の雛形でいいものはない?」「手元のソフトで辞令用紙を作りたい」の2つです。どちらも、基本の枠を自分で1枚作るのがいちばんの近道です。

辞令のテンプレートについて、ネットのQ&Aで閲覧の多い疑問を2つ取り上げます。質問は要約して紹介しますね。

疑問1:辞令や人事の通知書類のいい雛形はない?

「会社の辞令をはじめ、人事関係の通知書類の雛形でいいものがあれば教えてほしい」という質問です。

結論から言うと、辞令は会社ごとに作る書類なので、どこかの雛形がそのまま合うとは限りません。この記事の3つの層で項目を決め、基本の枠を1枚作るのが早道です。

人事関係の書類をまとめて整えたい時は、辞令・掲示用の一覧・通知メールの3つをセットで作っておくと、異動の時期に慌てずに済みます。

疑問2:手元のソフトで辞令用紙を作りたい

「パソコンに入っている文書作成ソフトで、辞令用紙を作りたい。どうすればいいか」という質問もあります。

「枠の付いた、それっぽい辞令用紙にしたいんです」
「それなら、ページの罫線で外枠を付けて、表題を中央に大きく置けば十分ですよ」

こんなふうに、特別な機能は要りません。Wordの手順で紹介した5つの手順で、見た目の整った辞令用紙になります。市販の辞令用紙に印刷する時は、印刷の位置を1枚試してから本番にしてみてください。

辞令の用紙のサイズや紙の選び方は、辞令書とは?で紹介しています。

異動の時期の段取りを表にしておく

テンプレートがあっても、段取りが決まっていないと最後に慌てますよね。異動の時期の流れを、時間の順に並べておきましょう。

時期の目安やること使うもの
内示の前異動の一覧をExcelで作る一覧表
内示のころ種類ごとに発令内容の文例を当てはめる文例の一覧
交付の前差し込み印刷で辞令を作り、読み合わせる基本の枠
発令日辞令を交付し、掲示や全社メールで知らせる掲示用の一覧
発令の後控えを保管し、テンプレートを直す共有フォルダ

内示から発令までの日数に、法律の決まりはありません。社内でいつもどれくらい前に内示を出しているかを見て、逆算して段取りを組んでみてください。

辞令づくりを任されるのは、人事や総務の仕事を深めていくきっかけにもなります。これからのキャリアを考えるきっかけに、今の仕事と並べて外の選択肢も見ておくと、自分に合う働き方が見えやすくなりますよ。

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転勤や異動の辞令は、これからの働き方を考えるきっかけにもなります。今の会社で続ける道と並べて、勤務地や仕事内容の希望を伝えて求人を紹介してもらえる転職エージェントで、選択肢を確かめておくのも一つの方法です。

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辞令という言葉の意味や種類を一から知りたい方は、辞令とは?もあわせてどうぞ。

よくある質問

辞令のテンプレートはwordとExcelのどちらで作るのがいいですか?

1枚ずつ作るならWordが手軽です。何十枚もまとめて作るなら、Excelに一覧を作ってWordの差し込み印刷で出すと、氏名や部署の写し間違いを減らせます。

辞令のフォーマットは会社で決めないといけませんか?

法律で決まった型はないので、会社で決めることになります。社内でそろっていれば、受け取る人も管理する人も迷いません。

給与辞令は全員に出すものですか?

昇給のたびに辞令を出す法律上の義務は確認できませんでした。出すかどうか、どんな形で知らせるかは会社の決まりによります。就業規則の昇給の条文を確かめてみてください。

辞令は縦書きと横書きのどちらで作りますか?

会社の辞令に決まりはありません。文化審議会の「公用文作成の考え方」では、特別な場合を除いて左横書きを基本としています。社内の前例が縦書きなら、それにそろえても大丈夫です。

辞令のテンプレートに枠は必要ですか?

枠が無くても辞令の中身は変わりません。見た目を整えたい時は、細い線のシンプルな枠にしておくと、どの種類にも合わせやすくなります。

まとめ

この記事の要点
  • 辞令のテンプレートは「欠かせない項目」「会社ごとに足す項目」「書かない方がいい項目」の3層で組む
  • 基本の枠は表題・氏名・発令内容・発令日・発令者の順で、種類ごとに発令内容の行を差し替える
  • 給与・休職の辞令は、適用月や期間の1行を足しておく
  • まとめて作る時はExcelの一覧とWordの差し込み印刷が便利
  • 社内掲示用は本人用とは別に、一覧の形で作る
辞令ドットコム

辞令ドットコム 編集部

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