休職・復職の辞令とは?休職辞令の中身と、育児休業の辞令

休職辞令と復職辞令の中身、育児休業の時の書類を紹介する記事のアイキャッチ。光の差す机の上の書類

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休職することになって、会社から「休職を命ずる」と書かれた書類が届いた。『休職の辞令って何?いつまで休めるの?戻る時にも辞令は出るの?』と、分からないことが次々に出てきますよね。

結論から言うと、休職辞令とは、社員としての身分を残したまま、一定の期間、仕事を免除することを会社が正式に知らせるものです。休職の期間や復職の手続きは、法律ではなく会社の就業規則で決まります。

この記事を読めば、休職辞令と復職辞令の中身、育児休業の時に出る書類との違いが分かります。

目次

休職辞令とは?意味と、法律での位置づけ

先に結論

休職辞令は、休職の始まりと期間を知らせる書類です。休職の定義や期間、復職の手続きは労働基準法に定めがなく、会社の就業規則で決まります。

『休職って、法律で決まった制度じゃないの?』と思う方も多いはずです。

実は、厚生労働省のモデル就業規則の解説には「休職の定義、休職期間の制限、復職等については、労基法に定めはありません。」と書かれています。ですから、休職辞令の形や中身も会社ごとに違うんです。

同じ解説では、休職を「労働者としての身分を保有したまま一定期間就労義務を免除する特別な扱い」と説明しています。

言葉かみくだくと決めているもの
休職社員のまま、一定の期間仕事を免除される会社の就業規則
休職辞令休職の始まりと期間を知らせる書類会社の就業規則・慣行
復職休職を終えて仕事に戻ること会社の就業規則
復職辞令復職の日と戻る職場を知らせる書類会社の就業規則・慣行

休職の種類は就業規則で決まる

モデル就業規則の規程例では、休職を大きく2つに分けています。業務外の病気やけがで長く働けない時の休職と、それ以外の特別な事情がある時の休職です。

特別な事情の例として、解説には「公職への就任や刑事事件で起訴された場合等」が挙げられています。休職できる期間は空欄になっていて、各社が決める形です。

労働基準法施行規則5条1項11号では、休職の定めがある会社は、入社の時に「休職に関する事項」を明示することになっています。入社時の労働条件通知書や就業規則を見てみてください。

辞令そのものの意味は辞令とは?意味をわかりやすくで紹介しています。

休職の発令から復職までの流れ

3つの段階で考える

休職から復職までは「休職の発令」「休職中の連絡」「復職の発令」の3段階で考えると、今どこにいて何を確かめればいいかが見えてきます。

休職の発令・休職中の連絡・復職の発令の3つの段階と、それぞれで確かめることを順番に並べた図解
段階出る書類の例確かめたいこと
休職の発令休職辞令(休職の期間を書いたもの)休職の始まりの日と終わりの日、休職の理由の区分
休職中の連絡期間を延ばす辞令、会社への報告の書類連絡の頻度と相手、期間の延長の決め方
復職の発令復職辞令(復職の日と所属を書いたもの)戻る部署と仕事、復職の手続き
期間が満了した時就業規則で定めた扱いの通知期間満了で退職とする定めがあるか

休職の発令

休職の辞令には、休職を始める日と、休職の期間の終わりが書かれることが多いです。会社によっては、休職の前に届出や書類の提出を求めることもあります。

休職中の連絡

休職中は、会社とどのくらい連絡を取るのかを決めておくと安心です。期間の途中で延長が必要になった時、期間を更新する辞令が出る会社もあります。

例えば、こんな聞き方をしておくと後で困りません。

「休職中は、どなたに、どのくらいの間隔でご連絡すればいいでしょうか」
「期間を延ばす必要が出た時は、どんな手続きになりますか」

復職の発令

モデル就業規則の規程例では、休職の理由がなくなった時は、原則として元の職務に戻るとしています。元の職務に戻るのが難しい時は、ほかの職務に就かせることもある、という形です。

復職辞令では、復職の日と、戻る部署が示されます。

期間満了の扱いは先に見ておく

モデル就業規則の規程例には、休職期間が満了しても働ける状態にならない時は「休職期間の満了をもって退職とする」という定めがあります。自分の会社に同じ定めがあるかは、就業規則で確かめておきましょう。

休職辞令・復職辞令の文例と、書かれる項目

ここでの結論

休職辞令は「休職を命ずる」と期間、復職辞令は「復職を命ずる」と所属を書くのが基本です。休職の理由の細かい中身は、辞令には書かないのが一般的です。

『辞令にはどこまで書かれるの?』と気になりますよね。会社でよく見かける形を、伏せ字で並べてみました。

休職辞令の文例

○○ ○○ 殿
就業規則第○条により休職を命ずる
休職の期間は令和○年○月○日から令和○年○月○日までとする
令和○年○月○日
株式会社○○ 代表取締役 ○○ ○○

復職辞令の文例

○○ ○○ 殿
令和○年○月○日付で復職を命じ、営業部勤務とする
令和○年○月○日
株式会社○○ 代表取締役 ○○ ○○

「就業規則第○条により」と根拠の条文を書く形は、公務員の辞令の書き方と同じ考え方です。どの条文にあたるかで、休職の種類が分かるようになっています。

項目休職辞令復職辞令
命じる内容「休職を命ずる」「復職を命ずる」
根拠就業規則の条文就業規則の条文(書かない会社も多い)
期間・日付休職の始まりと終わり復職の日
所属書かないことが多い戻る部署・勤務地

休職辞令を受け取ったら確かめること

『書類を受け取ったけど、どこを見ればいいの?』という方は、次の順で見てみてください。

休職辞令で確かめること
  • 休職の始まりの日と終わりの日が書かれているか
  • 根拠になる就業規則の条文がどれか
  • 休職中の連絡先と、報告の仕方
  • 期間を延ばす時の手続き
  • 復職する時に出す書類や面談があるか

分からない点は、書類を受け取った時に人事へまとめて聞いておくと、休職中のやり取りが少なくて済みますよ。

雛形の作り方は辞令のテンプレート・書式、文言のルールは辞令の書き方で紹介しています。

育児休業・介護休業の時は辞令ではなく「取扱通知」

ここでの結論

育児休業や介護休業は、休職とは違って法律で決まった休業です。会社は申出を拒めず、申出を受けたことなどを速やかに通知することになっています。

『育児休業の辞令ももらえるの?』という方もいますよね。育児休業は、休職とは根拠がまったく違うんです。

休職と育児休業・介護休業を、根拠・始まり方・会社から出る書類で比べた図解

育児・介護休業法6条1項では、事業主は労働者からの育児休業の申出を拒めないとされています(労使協定で対象外にできる人もいます)。介護休業も同じく、12条1項で拒めないとされています。

会社が出す「取扱通知」の中身

育児・介護休業法施行規則7条4項では、育児休業の申出があった時、会社は次のことを労働者に速やかに通知するとしています。

取扱通知に書かれること
  • 育児休業の申出を受けたこと
  • 育児休業を始める予定の日と、終わる予定の日
  • 申出を拒む場合は、その旨と理由

通知の方法は、書面の交付のほか、労働者が希望すればファクシミリや電子メールなども使えます。介護休業の申出でも、同じように通知されます(同規則23条2項)。

会社によっては、この取扱通知とは別に「育児休業を命ずる」形の辞令を出すこともあります。

くらべる点休職育児休業・介護休業
根拠会社の就業規則育児・介護休業法
始まり方会社が休職を命じる労働者が申し出る
会社が断れるか就業規則の定めによる原則として拒めない
会社から出る書類休職辞令取扱通知(辞令を出す会社もある)

公務員の休職辞令は規則で決まっている

ここでの結論

国家公務員は、人事院規則8-12で、休職にする時は人事異動通知書を交付して行うと決められています。地方公務員は、各自治体の条例や規程で決めています。

公務員の休職辞令は、会社員よりも決まりがはっきりしています。

人事院規則8-12の第54条では、休職にしたり、その期間を更新したりする場合は、通知書を交付して行わなければならないとされています。復職させた場合も、第53条で通知書を交付することになっています。

場面国家公務員の文例(人事院の通知)札幌市の規程の文例
休職「イにより休職にする。休職の期間は 年 月 日までとする」「甲により休職を命ずる 休職期間は 年 月 日までとする」
期間の更新「休職の期間を 年 月 日まで更新する」規程の文例は確認できず
復職「アに復職させる」「アに復職した」「復職を命ずる」

文例の「イ」「甲」には、根拠になる法令の条項が入ります。

国家公務員法80条では「休職者は、職員としての身分を保有するが、職務に従事しない。」とされています。休職の事由がなくなった時は、速やかに復職を命じなければならないとも定めています。

地方公務員は、地方公務員法28条3項で、職員の意に反する休職の手続きと効果は条例で定めることになっています。公務員の辞令全体は公務員の辞令とは?で紹介しています。

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休職辞令でよくある疑問

知恵袋で多い質問に答えます

休職辞令について、多く読まれている質問を、理由の中身には触れずに選んで答えます。

休職中に「○月○日まで休職を命じる」という辞令が届いた

「休職して少したった頃に、期間を書いた休職の辞令が届いた。初めてで、どう受け止めればいいか」という質問がありました。

休職の届出のあとで、会社が正式に期間を決めて辞令を出すことはよくあります。辞令に書かれた期間と、就業規則で決められた休職期間の上限を見比べてみてください。

休職の辞令と一緒に「合意書」への署名を求められた

「休職の辞令を受けた時に、合意書への署名を求められて、サインしてしまった」という相談も多く読まれています。

署名する前に、合意書に何が書かれているかを確かめるのが大切です。特に、休職期間が満了した時の扱いや、復職の条件が書かれていないかを見ておきましょう。

内容に納得できない時は、署名の前に人事に説明を求めてください。それでも解決しない時は、都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」に相談できます。

公務員で休職中。復職するとどんな流れになる?

「休職中の公務員で、復職を考えている。どんな流れになるのか」という質問も、とても多く読まれています。

国家公務員なら、復職すると人事異動通知書が交付されます。自治体なら、その自治体の規程に沿って「復職を命ずる」辞令が出ます。

復職の時期や手続きは、所属の人事担当に早めに相談しておくと、戻る職場の準備も進めやすくなりますよ。

よくある質問

休職辞令とは何ですか?

社員としての身分を残したまま、一定の期間、仕事を免除することを会社が正式に知らせるものです。休職の期間や手続きは会社の就業規則で決まります。

復職の時にも辞令は出ますか?

出すかどうかは会社によります。国家公務員の場合は、人事院規則8-12で、復職させた時に人事異動通知書を交付することになっています。

育児休業の時にも辞令は出ますか?

法律で決まっているのは、会社が申出を受けたことや休業の予定日を知らせる取扱通知です。それとは別に辞令を出す会社もあります。

公務員の休職辞令には何が書かれますか?

国家公務員の人事異動通知書では「イにより休職にする。休職の期間は 年 月 日までとする」のように、根拠の条項と期間が書かれます。自治体は各規程の文例に沿って書かれます。

休職辞令はなくしても大丈夫ですか?

休職の期間や復職の手続きを確かめる手がかりになるので、休職中は手元に残しておくのがおすすめです。保管の考え方は辞令書の保管の記事で紹介しています。

まとめ

この記事の要点
  • 休職辞令は、身分を残したまま仕事を免除することを知らせる書類
  • 休職の期間・復職の手続きは労働基準法に定めがなく、就業規則で決まる
  • 育児休業・介護休業は法律の休業で、会社は申出を拒めず、取扱通知を出す
  • 国家公務員は、休職も復職も人事異動通知書で知らされる
辞令ドットコム

辞令ドットコム 編集部

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