辞令はいつ出る?時期・何日前に出るかと、4月・10月が多い理由

辞令がいつ出るか、何日前に出るかを紹介する記事のアイキャッチ。机の上のカレンダーと書類

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年度末が近づくと『今年は辞令が出るのかな、出るとしたらいつだろう』とそわそわしますよね。転勤があるかもしれない方なら、なおさらです。

結論から言うと、辞令がいつ出るか、何日前に出るかは法律では決まっておらず、会社の就業規則や毎年の慣行で決まります。ただ、時期のパターンは大きく3つに分けられるので、自分の会社がどれに当たるかを知れば見通しが立ちます。

この記事を読めば、辞令が出る時期の考え方と、4月・10月が多い理由、自分の会社のタイミングを確かめる方法が分かります。

目次

辞令はいつ出る?まず結論は「会社の決まりで変わる」

先に結論

辞令の時期や、異動の何日前に出すかを定めた法律の条文はありません。いつ出るかを知るには、就業規則・人事の案内・過去の異動の時期を確かめるのが近道です。

『普通は何月に出るものなの?』と、一般的な答えを知りたい方も多いはずです。

実は、労働基準法や労働契約法の本文には「辞令」「内示」「発令」という言葉が出てきません。辞令をいつ、どんな形で出すかは、会社ごとのルールに任されているんです。

辞令が出る時期は3つのパターンに分けられる

それでも、辞令が出る時期には傾向があります。この記事では、次の3つに分けて見ていきます。

パターンどんな辞令か時期の決まり方
定期異動年度や半期の切り替わりに合わせた異動・昇進会社が毎年決めている時期にまとめて出る
期中の異動欠員の補充、組織の変更、プロジェクトの立ち上げなど必要が生じた時に、その都度出る
毎年決まった時期の辞令入社・配属、昇給、昇格など就業規則や賃金の規程で時期が決まっていることが多い

自分に関係しそうな辞令がどれに当たるかで、見通しの立て方が変わります。

「辞令が出る日」と「発令日」は別のことも

辞令の時期を考える時に、もう一つ押さえておきたいのが日付の違いです。

辞令が手元に届く日と、辞令の効力が始まる「発令日」は、同じとは限りません。例えば、3月の後半に「4月1日付で営業部勤務を命ずる」という辞令を受け取る、という形もあります。

発令日と交付日の違いは辞令と発令の違い|発令日・交付日の意味で紹介しています。

辞令が出る時期を3つに分けて見る:定期・期中・毎年決まった辞令

3つのどれかで考えると迷わない

辞令の時期を「いつ出るか分からないもの」と思うと不安になりますよね。定期異動・期中の異動・毎年決まった時期の辞令の3つに分けると、どこを調べればいいかがはっきりします。

辞令が出る時期を、定期異動・期中の異動・毎年決まった時期の辞令の3つに分けて示した図解

定期異動:4月・10月が多いのはなぜ?

定期異動とは、毎年決まった時期にまとめて行う人事異動のことです。

辞令が4月に多いのは、会社や官公庁の多くが4月から翌年3月までを1年度としていて、新しい年度の組織に合わせて人を配置するからです。新入社員の入社や、年度の予算・目標の切り替えもこの時期に重なります。

10月は、年度の後半が始まる区切りです。半期ごとに組織や目標を見直す会社では、10月にも定期異動を行うことがあります。

ただ、決算期が3月以外の会社もあります。その場合は、自分の会社の年度の始まりに合わせた時期が定期異動の山になります。

公務員の定期異動の例

自治体では、4月1日付の人事異動に合わせて辞令交付を行う例が多く見られます。例えば高知市の庁議報告事項(令和4年3月22日)では、4月1日付の人事異動について、課長級以上などを対象に辞令書の交付式を開くとしています。その他の職員には、9時以降に異動元の課長から辞令書を配付する形です。

期中の異動:必要になった時にその都度

期中の異動は、定期異動の時期以外に出る辞令です。欠員が出た、新しい部署ができた、取引先の事情で体制を変える、といった理由で出ます。

期中の異動は時期の予想がしにくいのが特徴です。『いつ来てもおかしくない』と気を張るより、発令日と準備の期間を上司に確かめられるようにしておく方が現実的ですよ。

公務員でも、年度の途中に辞令交付が行われることがあります。青森県の報道資料では、国への復帰者・国からの採用者の辞令交付式を令和6年7月に知事室等で行った例が紹介されています。

毎年決まった時期の辞令:入社・昇進・昇給

入社の配属、昇進・昇格、昇給などは、毎年の時期が決まっていることが多い辞令です。

辞令の種類時期の決まり方どこで確かめるか
入社・配属の辞令入社日や研修の終わりに合わせて出ることが多い入社の案内、研修の日程
昇進・昇格の辞令定期異動と同じ時期に出す会社が多い人事評価の時期、昇格の規程
昇給・給与の辞令就業規則の昇給の時期に合わせる就業規則の「昇給」の条文、賃金規程

昇給については、就業規則に書かなければならない事項です。労働基準法第89条は、就業規則の必要記載事項として「昇給に関する事項」を挙げています。

厚生労働省のモデル就業規則でも、昇給は「毎年_月_日に行う」と、時期を各社が書き込む形になっています。ですから、給与の辞令がいつ出るかを知りたい時は、まず就業規則の昇給の条文を見てみてください。

辞令の中でも、昇進と給与の辞令は気になる方が多いですよね。昇進の辞令は人事評価と定期異動の時期、給与の辞令は就業規則の昇給の時期に合わせて出ることが多いです。

昇進の辞令はいつ出る?

昇進の辞令がいつ出るかは、人事評価のサイクルと深く結びついています。評価が決まり、新しい役職の席が決まってから辞令が出る流れです。

多くの会社では、定期異動と同じ時期にまとめて昇進の辞令を出します。年度の初めに新しい役職でスタートできるようにするためです。

役職手当がいつから変わるかも、確かめておきたい点です。厚生労働省のモデル就業規則には、昇格による役付手当は「発令日の属する賃金月から支給する」という規程例があります。

昇進・昇格の辞令の違いやお礼の挨拶は、昇進・昇格の辞令|違いとお礼・挨拶で紹介しています。

給与の辞令はいつ出る?出ない会社もある

給与の辞令がいつ出るかは、会社によってかなり違います。昇給の時期に書面で渡す会社もあれば、給与明細で金額が変わるだけの会社もあります。

実は、昇給や給与改定のたびに辞令という書面を出すことを義務づけた条文は、確認できませんでした。労働基準法施行規則でも、入社時に書面で示す事項から「昇給に関する事項」は除かれています。

『給与の辞令をもらっていないけど、大丈夫?』と不安になったら、まず給与明細と就業規則の昇給の条文を見比べてみてください。金額の確かめ方は給与辞令とは?昇給の辞令がいつ出るかで紹介しています。

昇進・昇給の辞令の時期を確かめるポイント
  • 人事評価の面談や結果の通知がいつ行われるか
  • 就業規則の「昇給」の条文に、時期が書かれているか
  • 役職手当がどの賃金月から変わるか
  • 給与の辞令を書面で出す会社か、給与明細だけの会社か

異動の辞令は何日前に出る?法律の決まりと考え方

ここでの結論

異動の辞令を何日前に出すかは、法律で決まっていません。厚生労働省の手引きでは、転勤について「できる限り時間的余裕をもって告知することが重要」としていますが、日数は示していません。

『異動の辞令って、何日前に出るのが普通なの?』という疑問は、とても多く見られます。

結論から言うと、何日前という決まりはありません。労働基準法・労働契約法・育児介護休業法のどれにも、転勤や異動を何日前に伝えるかの定めはないんです。

厚生労働省の手引きの考え方

厚生労働省の「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」(平成29年3月30日)では、最終的に決まった転勤は、対象の労働者に「できる限り時間的余裕をもって告知することが重要である」としています。

同じ資料では、正式に決める前に事情を確かめる「打診」や、時期をずらすなどの個別の調整にも触れています。

つまり、辞令を何日前に出すかは会社が決めることですが、転居を伴う時ほど早めに知らせるのが望ましい、という考え方です。

「何日前」は異動の重さで変わる

辞令が何日前に出るかは、異動の内容で変わることが多いです。準備にかかる時間が違うからです。

異動の内容準備に必要なこと早めに知らせてほしい度合い
同じ事業所内の部署異動引き継ぎ、席の移動比較的短くても動ける
通勤できる範囲の勤務地の変更通勤経路の変更、定期券の手続き中くらい
転居を伴う転勤住まい探し、引っ越し、家族の転校・転園長めの期間が必要
海外への赴任住まい、手続き、家族の準備がさらに増えるさらに長めの期間が必要

表は日数の決まりではなく、準備の重さを並べたものです。自分の会社の実際の期間は、次のセクションの手順で確かめてみてください。

転勤の場合のくわしい流れは転勤の辞令とは?何日前に出るかと準備の進め方で紹介しています。

内示があるかどうかでも変わる

辞令の前に「内示」がある会社では、内示から辞令までの間に準備を始められます。内示とは、正式な辞令の前に本人へ内々に伝える予告のことです。

内示も法律で決まった手続きではありません。内示と辞令の関係は内示と辞令の違い|内示から辞令までの期間でくわしく紹介しています。

自分の会社の辞令のタイミングを確かめる手順

一般論より、自分の会社の「前例」が頼りになる

辞令のタイミングは会社ごとに違うので、ネットの一般論より社内の前例の方がずっと当てになります。次の順で確かめていきましょう。

『結局、うちの会社ではいつまでに辞令が出るの?』と知りたいですよね。調べる場所は、だいたい決まっています。

辞令のタイミングを確かめる手順
  1. 就業規則の「人事異動」「昇給」の条文と、人事関係の規程を読む
  2. 社内ポータルや人事の案内で、定期異動の時期が告知されていないかを見る
  3. 過去の異動の辞令が、何月に、発令日の何日前に出ていたかを先輩に聞く
  4. 人事評価の面談の時期から、昇進・昇給の辞令の見当をつける
  5. 気になる時は、上司に「次の定期異動はいつごろですか」と聞いてみる

上司への聞き方は、こんな感じで十分です。

「次の定期異動の辞令は、例年いつごろ出ていますか」
「うちは3月の中旬が多いね。内示はその少し前になることが多いかな」

辞令はいつまでに出る?締め切りの見方

「辞令はいつまでに出るのか」が気になる場面もあります。例えば、4月1日付の異動なら、遅くとも発令日までには辞令が出るのがふつうです。

ただ、発令日の直前に辞令が出ても、法律上それだけで問題になるわけではありません。準備が間に合わない事情がある時は、早めに上司や人事担当者に相談しておきましょう。

よくある失敗

「例年この時期だから」と思い込んで、辞令が出る前に引っ越しや退職などの取り消しにくい手続きを進めてしまうことです。正式な辞令と発令日を確かめてから動くと安心です。

いつまでに準備を終えればいいかも確かめる

辞令がいつ出るかと同じくらい大事なのが、自分がいつまでに何を終えればいいかです。

辞令の時期が近づいたら確かめたいこと
  • 発令日(効力が始まる日)と、着任する日
  • 引き継ぎをいつまでに終えればいいか
  • 転居を伴う場合、社宅や引っ越しの手続きの締め切り
  • 社内の手続き(住所変更・通勤手当など)の提出期限

3月・4月の辞令ラッシュにやること:時間軸の表

年度末は辞令と準備が重なる

4月1日付の定期異動がある会社では、3月に内示や辞令が出て、短い期間で準備を進めることになりがちです。時間軸で並べておくと慌てずに済みますよ。

辞令が3月に集中するのは、4月1日の新年度に合わせるためです。この時期は、異動する人も、受け入れる側も、手続きが重なって忙しくなります。

4月1日付の定期異動に向けて、内示・辞令・発令日までにやることを時間軸で並べた図解
時期の目安会社の動き自分がすること
年度末が近づく頃人事評価、異動の検討評価面談で希望や家庭の事情を伝えておく
内示の時期本人に内示が伝えられる発令日・異動先・話してよい範囲を確かめる
辞令の時期(3月が多い)辞令の交付・社内への公表挨拶、引き継ぎ、手続きを進める
4月1日(発令日)新しい体制がスタート新しい部署で挨拶し、仕事を確かめる

公務員では、年度末に退職の辞令が出ることもあります。国家公務員法では、定年退職日を「定年に達した日以後における最初の3月31日」または任命権者があらかじめ指定する日のいずれか早い日としています。

高知市の庁議報告事項(令和7年3月31日)でも、市長が退職する職員に辞令交付を行ったことが紹介されています。

新規採用の辞令は4月1日の例が多い

自治体や教育委員会では、新規採用職員の辞令交付式を4月1日に行う例が見られます。例えば福岡県教育委員会は、令和8年4月1日に県立学校の新規採用教育職員の辞令交付式を行うと発表しています。辞令交付式の流れは辞令交付式とは?流れ・式次第で紹介しています。

辞令の時期をきっかけに、働き方を見直す人へ

毎年の辞令の時期は、これからの働き方を考えるきっかけにもなります。

辞令を受けて新しい仕事に挑むのも、十分に前向きな選択です。そのうえで、転勤や異動のあり方が気になるなら、外の選択肢も並べて確かめておくと、次の辞令の時期を落ち着いて迎えられます。

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転勤や異動の辞令は、これからの働き方を考えるきっかけにもなります。今の会社で続ける道と並べて、勤務地や仕事内容の希望を伝えて求人を紹介してもらえる転職エージェントで、選択肢を確かめておくのも一つの方法です。

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辞令の時期でよくある疑問

知恵袋で多い質問に答えます

辞令がいつ出るかについて、ネットのQ&Aで閲覧数の多かった質問を選び、要約して答えます。

疑問1:転勤は4月と10月が多いけれど、辞令はいつごろ出る?

「一般的な会社の転勤時期は4月と10月が多いと思うが、辞令はいつくらいに出されるのか」という質問は、とても多く読まれています。

辞令が何日前に出るかは法律で決まっておらず、会社によって違います。4月1日付なら3月中、10月1日付なら9月中に辞令が出る会社もありますが、これも決まりではありません。

自分の会社の時期は、先輩に過去の例を聞くのがいちばん確かです。内示がある会社なら、内示は辞令よりさらに前になります。

疑問2:4月1日付の異動なのに、まだ何も言われない

「4月1日付の転勤や異動は、普通の会社ならいつごろ内示や辞令が出るのか。もう半ばなのにまだ何もない」という質問もありました。

『もう半ばなのに何もない…自分は対象外?』と焦る気持ちはよく分かります。ただ、何日前に出すかの決まりはないので、まだ出ていないことだけで対象外とは言い切れません。

気になる時は、上司に「今年の定期異動の辞令は、いつごろ出る予定ですか」と聞いてみてください。時期を聞くだけなら、失礼には当たりませんよ。

疑問3:4月の昇給の辞令は、いつごろもらうもの?

「4月の昇給明細と昇給辞令は、いつぐらいにもらうものか」という質問も多く見られます。

昇給の時期は就業規則に書く事項なので、まず就業規則の昇給の条文を見てみましょう。昇給の辞令を書面で出すかどうかは会社によって違い、給与明細で知らされるだけの会社もあります。

疑問4:海外赴任から戻る時の辞令は、どのくらい前に出る?

「海外赴任の任期を終えて日本に戻る場合、辞令はどのくらい前に出るのか」という質問もありました。

海外からの帰任も、何日前に出すかの法律上の決まりはありません。住まいや家族の手続きが多いので、帰任の時期の見通しを早めに会社と話しておくと準備がしやすくなります。

よくある質問

辞令はいつ出ることが多いですか?

定期異動のある会社では、年度の始まりに合わせた4月や、半期の区切りの10月に向けて出ることが多いです。ただし法律で決まっているわけではなく、会社の就業規則や慣行で決まります。

異動の辞令は何日前に出ますか?

何日前に出すかを定めた法律はありません。厚生労働省の手引きでは、転勤について「できる限り時間的余裕をもって告知することが重要」としています。自分の会社の目安は、過去の例や上司への確認で確かめましょう。

昇進の辞令はいつ出ますか?

人事評価が決まった後、定期異動と同じ時期に出す会社が多いです。役職手当がいつから変わるかは、就業規則や賃金の規程で確かめられます。

給与の辞令が出ない会社もありますか?

あります。昇給のたびに辞令という書面を出すことを義務づけた条文は確認できず、給与明細で知らされるだけの会社もあります。昇給の時期は就業規則に書く事項なので、条文を見てみてください。

3月に辞令が出るのはなぜですか?

4月1日から新しい年度が始まる会社や官公庁が多く、その日付の異動に合わせて辞令を出すからです。年度の始まりが4月以外の会社では、時期も変わります。

まとめ

この記事の要点
  • 辞令がいつ出るか、何日前に出るかは法律で決まっておらず、会社の決まりと慣行による
  • 時期は「定期異動」「期中の異動」「毎年決まった時期の辞令」の3つに分けて考える
  • 4月は新年度、10月は半期の区切りに合わせるため、定期異動が多くなりやすい
  • 昇給の時期は就業規則に書く事項。給与の辞令は出ない会社もある
  • 自分の会社の時期は、就業規則・人事の案内・先輩の前例で確かめる
辞令ドットコム

辞令ドットコム 編集部

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