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退職が決まって、転職先から『退職辞令を出してください』と言われ、『そんな書類、もらった覚えがない』と戸惑っていませんか。
結論から言うと、退職辞令とは、退職したことを本人に知らせる辞令のことで、公務員では制度として交付されますが、会社では出すかどうかが会社しだいです。会社員が退職を示したい時は、退職証明書を頼むのが確実です。
この記事を読めば、退職辞令と退職証明書・離職票の違いと、場面ごとにどれを用意すればよいかが分かります。
退職辞令とは?退職を本人に知らせる辞令
退職辞令は、いつ付けで退職したかを書いて本人に渡す辞令です。国家公務員では人事異動通知書として交付することが人事院規則で決まっています。会社員には、退職の辞令を出す法律上の義務は確認できません。
『退職の辞令って、異動の辞令と同じようなもの?』と思いますよね。
形はよく似ています。違うのは、新しい役目に就けるのではなく、職を離れたことを知らせる点なんです。辞令そのものの意味は、辞令とは?で紹介しています。
公務員と会社員で、退職の辞令の扱いが違う
| くらべる点 | 公務員 | 会社員 |
|---|---|---|
| 退職の辞令が出るか | 国家公務員は人事異動通知書を交付する | 会社が決める(出さない会社もある) |
| 根拠 | 人事院規則8-12、自治体の規程 | 就業規則や社内の慣行 |
| 退職を示す書類の代わり | 自治体の退職証明など | 労働基準法22条の退職証明書 |
会社で退職の辞令が出ないのは珍しくありません。それでも困らないように、法律は退職証明書という仕組みを用意しているんです。
会社で退職の辞令が出る時の書き方
退職の辞令を出す会社では、次のような短い文面にすることが多いです。決まった形はないので、あくまで一例として見てください。
「営業部 ○○ ○○ 殿 令和○年○月○日付けをもって退職とする」
日付と氏名、どの部署から退職したかが分かれば、辞令としての役目は果たせます。会社の辞令の書き方全体は、辞令の書き方が参考になります。
退職辞令・退職証明書・離職票の違い
退職の時にもらう書類は、退職辞令・退職証明書・離職票の3つに分けると整理しやすくなります。出すところも、使う場面も違います。
『結局、どれを用意すればいいの?』という方も多いはずです。3つを並べてみました。

| くらべる点 | 公務員の退職辞令 | 会社の退職証明書 | 離職票 |
|---|---|---|---|
| もらえる人 | 退職する公務員 | 請求した退職者 | 雇用保険の被保険者だった離職者 |
| 出すところ | 任命権者(国・自治体) | 会社(使用者) | ハローワーク(公共職業安定所長) |
| 中身 | 退職の年月日と「退職した」などの文言 | 使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職の事由のうち請求した事項 | 雇用保険の手続きに使う離職の内容 |
| 主に使う場面 | 退職の記録、手続きの添付 | 転職先などへ退職を示す時 | 失業給付などの手続き |
退職証明書と辞令の違い
退職証明書は、労働基準法22条で決まった書類です。退職者が使用期間や業務の種類、地位、賃金、退職の事由について証明書を請求すると、会社は遅滞なく交付しなければなりません。
大事なのは、会社が勝手に中身を書けない点です。同じ条文で「労働者の請求しない事項を記入してはならない」とされているんです。
退職辞令は、会社が人事として出すお知らせです。退職証明書は、本人が請求して受け取る証明です。ここが退職証明書と辞令のいちばんの違いですね。
- 提出先に、証明してほしい事項(使用期間・業務の種類・地位など)を聞く
- 前の会社の人事や総務に、その事項を書いた退職証明書を請求する
- 届いた証明書の中身が、頼んだ事項だけになっているか確かめる
「退職証明書って、辞めてからでも頼めるんですか?」
「頼めます。ただ、請求できる期限ははっきりしないので、早めに頼んでおくと安心ですよ」
離職票は会社ではなくハローワークが出す
離職票は、雇用保険法施行規則17条で、公共職業安定所長が交付すると決まっています。会社は、離職の翌日から10日以内に資格喪失届と離職証明書をハローワークに出す側です。
離職票をなくしたり傷めたりした時は、同じ条文で再交付を申し込めるとされています。
公務員の退職証明を出している自治体もあります。例えば川崎市では、退職者向けに「○○年○○月○○日当市を退職した」旨の退職証明や、在職期間証明を交付しています。公務員で退職証明書と辞令のどちらが必要か迷ったら、提出先にどちらで足りるか聞いてみてください。
公務員の退職辞令の中身と文例
国家公務員の退職辞令は、人事異動通知書として交付されます。辞職は「辞職を承認する」、定年などの退職は「退職した」、任期満了は「任期の満了により年月日限り退職した」という書き方です。
人事院規則8-12の第53条では、職員の辞職を承認した場合や、職員が退職した場合に、通知書を交付しなければならないとしています。
人事院の通知では、退職手当を支給するかどうかも、この通知書で知らせることになっています。
退職手当についての証明が別に必要になることもあります。東京都教育委員会では、都費負担教職員向けに「退職手当に関する証明」を出していて、依頼は学校長などの所属機関から行い、本人からは受け付けないと案内しています。
公務員の退職の書類は、本人が直接頼めるものと、所属を通して頼むものがあるんですね。迷ったら、まず所属の事務担当に聞いてみてください。

| 退職の形 | 国家公務員の書き方 | 自治体の例(札幌市) |
|---|---|---|
| 自分から辞める(辞職) | 辞職を承認する | 願により退職を承認する |
| 定年などによる退職 | 退職した | 規程の様式による |
| 任期満了 | 任期の満了により 年 月 日限り退職した | 規程の様式による |
| 本人の意に反する免職 | イにより免職する(イは根拠法令の条項) | 甲により本職を免ずる |
定年退職の辞令
定年退職の辞令は、定年で職を離れたことを知らせる辞令です。国家公務員法81条の6では、定年に達した日以後の最初の3月31日か、任命権者があらかじめ決めた日のどちらか早い日に退職するとしています。
国家公務員の定年は段階的に引き上げられている途中です。令和7年度と令和8年度は62歳で、令和13年度に65歳になります。
地方公務員は、地方公務員法28条の6で、定年に達した日以後の最初の3月31日までの間で条例で定める日に退職するとされています。
自己都合退職の辞令
自分から辞める自己都合退職の場合、公務員では「辞職を承認する」「願により退職を承認する」のような書き方になります。本人の願いを受けて、任命権者が承認したという形です。
会社員が自分から辞める時は、民法627条1項で、期間の定めのない雇用なら申入れから2週間で終了するとされています。退職の辞令を出すかどうかは会社しだいです。
公務員が死亡退職した時
公務員が亡くなって退職する場合の辞令の扱いは、公的な資料で確認できませんでした。国家公務員退職手当法では、死亡退職で受け取る人が分からない場合などを、支払い時期の例外にしています。
公務員の辞令の全体像は、公務員の辞令とは?で紹介しています。
退職辞令の効力はいつから?公務員の退職日
人事異動通知書には、異動を発令した年月日か、異動が発生した年月日を書くことになっています。退職の効力が何時に生じるかまで決めた公的な資料は、確認できませんでした。
『辞令を受け取った瞬間に退職になるの?』と気になる方もいますよね。
例えば、3月31日付けの退職辞令を、3月31日の朝に受け取ったとします。この場合、退職日は辞令に書かれた3月31日です。
公務員の退職辞令の効力は、辞令に書かれた年月日で考えるのが基本です。辞令を受け取った時刻で決まるわけではないので、交付が退職日の午前中でも、その日付けの退職になります。
- 辞令に書かれた退職の年月日
- 退職手当の支給についての記載
- 退職後に使う証明書を、誰に頼めばよいか
- 健康保険や年金の切り替えの手続き先
定年退職と再雇用の辞令
定年退職のあとに再雇用で働き続ける場合は、退職の辞令と、新しく任用や雇用をする辞令の2つが出ることがあります。
公務員では、定年前に短時間で働く再任用の発令の形を規程に加えた例があります。会社の再雇用で新しく労働契約を結ぶなら、その時に労働条件の明示(労働基準法15条)を受けることになります。
退職辞令は、あとで退職の時期を確かめる手がかりになります。保管の目安は辞令書は捨てていい?で紹介しています。
退職辞令でよくある疑問
退職辞令について、よく読まれている質問を選んで答えます。
転職先から「退職辞令」を出すよう言われた
「退職辞令とは何ですか?転職先から提出を求められた」という質問は、とても多く読まれています。
前の会社が退職の辞令を出していないなら、無いものは出せません。転職先には「退職の辞令は出ていないので、退職証明書でもよいですか」と聞いてみてください。
退職証明書なら、労働基準法22条にもとづいて前の会社に請求できます。何の事項を証明してほしいかも、転職先に確かめておきましょう。
公務員の退職は、退職日の何時?
「退職辞令を受け取った時に退職?定時?それとも日付が変わった時?」という質問もありました。
時刻まで決めた公的な資料は確認できません。辞令に書かれた年月日が退職日なので、細かい扱いが気になる時は、勤め先の人事担当に聞いてみてください。
退職手当は、退職した日に振り込まれる?
国家公務員の場合、国家公務員退職手当法2条の3で、一般の退職手当は、退職した日から起算して一月以内に支払わなければならないとされています。退職した当日とは限りません。
定年退職の辞令交付式を欠席したい
退職の辞令交付式を欠席できるかは、勤め先の決め方しだいです。高知市のように、市長が退職者に辞令を交付した例もあります。出られない時は、早めに所属の上司に相談して、辞令の受け取り方を確かめておきましょう。
退職辞令を受け取る時期は、これからの働き方を考える時期でもありますよね。今の経験をどう生かせるか、次の職場で何を大事にしたいかを、外の求人と並べて確かめておくと選びやすくなります。
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辞令をきっかけに働き方を見直すなら、転職エージェントに相談してみる
転勤や異動の辞令は、これからの働き方を考えるきっかけにもなります。今の会社で続ける道と並べて、勤務地や仕事内容の希望を伝えて求人を紹介してもらえる転職エージェントで、選択肢を確かめておくのも一つの方法です。
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辞令が出たあと会社を辞める時の進め方は、辞令が出て会社を辞めたいと思ったらで紹介しています。
よくある質問
退職辞令とは何ですか?
退職したことと、その年月日を本人に知らせる辞令です。公務員では人事異動通知書などとして交付され、会社では出すかどうかを会社が決めます。
退職辞令と退職証明書の違いは何ですか?
退職辞令は勤め先が人事として出す知らせで、退職証明書は労働基準法22条にもとづいて本人が請求して受け取る証明です。証明書には、本人が請求しない事項を書いてはいけません。
会社が退職辞令を出してくれません。
会社員には、退職の辞令を出す法律上の義務は確認できません。退職を示したい時は、退職証明書を請求してみてください。
公務員の退職辞令の効力はいつからですか?
辞令に書かれた年月日で考えます。受け取った時刻で決まるわけではなく、何時に効力が生じるかを決めた公的な資料は確認できません。
定年退職の辞令はいつ出ますか?
国家公務員は、定年に達した日以後の最初の3月31日か、任命権者があらかじめ決めた日のどちらか早い日に退職します。人事異動通知書には、異動を発令した年月日か異動が発生した年月日を書くことになっています。
まとめ
- 退職辞令は退職を本人に知らせる辞令で、公務員では制度として交付される
- 会社員は退職辞令が出ないことがあり、代わりに退職証明書を請求できる
- 離職票はハローワークが交付する、雇用保険の手続きの書類
- 国家公務員の退職辞令は「辞職を承認する」「退職した」などの書き方





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